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斑鳩三寺

中宮寺

法隆寺の伽藍配置図を見ると、一番東の端に中宮寺という名の寺があることがわかります。

また、地域を少し拡大して斑鳩の里全体を見ると、中宮寺から北の方角に法輪寺、法起寺という2つの寺があることがわかります。

法隆寺に所属してはいませんが、法隆寺と縁の深いこの3つの寺を「斑鳩三寺」といいます。

時間の余裕があるなら、法隆寺詣での延長として斑鳩三寺を訪ねてみてもよいかもしれません。

法隆寺に隣接すると同時に3つの寺の中では最も広く知られているのが、中宮寺です。ここは聖徳太子の母、穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后の菩提をとむらうために造られた寺で、大和を代表する尼寺でもあります。

池に囲まれた本堂には、国宝弥勒菩薩像と飛鳥時代の染織工芸品、天寿国曼荼羅繍帳(てんじゅこくまんだらしゅうちょう)を安置。特に、京都・広隆寺の弥勒像と並び称される弥勒菩薩の気高い姿は、必見の価値があります。

てんじゅこくまんだらしゅうちょう

一方、法隆寺北方に建つ法輪寺は、推古末期に聖徳太子の長子山背大兄王が太子を忍んで建てた寺です。

創建時の建物は昭和期の火災で焼失してしまいましたが、収蔵庫には飛鳥後期の作といわれる本尊薬師如来坐像がいまも安置。法隆寺の本尊にも似た穏やかな笑みが見る者の心を癒してくれます。

法輪寺の東にある法起寺は、かつて聖徳太子の別荘だった建物をこれまた山背大兄王が寺に改造した寺院。
寺のシンボルは日本最古の三重塔。

本堂にはエンタシスの柱が使われているなど、法隆寺との近親性を強く感じさせる古寺です。